2018年8月10日金曜日

第3回 みのおてならい サロンコンサート シューベルト没後190年記念 ~ 弦楽五重奏曲 @箕面市立メイプルホール 8月8日


ベルギー王立モネ歌劇場 第1ソリスト E・ロベレヒト氏をお招きし、室内楽の最高峰ともいわれるシューベルトの遺作『 弦楽五重奏曲 』を聴く特別演奏会

【演奏者】
第 一 ヴァイオリン エリック・ロベレヒト 
第 二 ヴァイオリン 金原ソフィ絢子
ヴィオラ 井迫美貴
第 一 チェロ 南口真耶 
第 二 チェロ 西川彩乃

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おつかれさまでした
思いつく ままに書きます

クラシックのコンサートは なんだか堅苦しいものですが 昨日のコンサートは むしろ ライヴ! と呼びたいほどの一体感やリズム感 ( 主催者様 言われるところの グルーヴ感! )に溢れたものとなり シューベルトの「 弦楽五重奏曲 」という稀有な演目は 初めて聴いた方がほとんどか と思うのですが ご来場者全員が 様々な思いを持ち帰られたのではないかと 感じます。それにしてもこのクラスの演奏会で 2000円 って ありえんやろ! 

残念なことは この作品 CDが希少化していることで せっかく興味をもたれたお客様が 簡単に入手できないことです。まぁ ゆうつべには上がっていますのから まずはここからかな




エリック先生のお話にもあったように この作品 作曲者自身が演奏家の実演を聞いていない( ! )という数奇な運命に翻弄されたある種 隠しメニューのような扱いをされてきた経緯があり あるいはシューベルトが歌曲の王と呼ばれたがゆえに 歌曲以外の作品を後の世代が軽視したこと。しかし たった32年でその幕を閉じたシューベルトの生涯で唯一 完全な弦楽5重奏曲であること、その編成もヴィオラではなくチェロを2挺 配するというユニークなものであったこと 等々。しかし何をおいてもまず楽曲そのものが非常にユニークで、不思議( エリック先生談 )であることが 大事 ですね

昨日もお話ししましたが CDを繰り返し聴いて ライヴに備えていた時 あれ? リピート再生してた?? と思う程に 同じメロディが繰り返し現れては消える構成に 現代音楽のミニマルミュージックに通じる萌芽を見ることは可能だと思います。1810-1828年の間に活躍した作曲家の作品が 1960年代以降盛んになった手法を先取りしているのだから これは とんでもないことだと感じます

実は 筆者もクラシックは門外漢で チェンバーオーケストラのスタイルも初見でしたから これ自体 とても興味深いものでした。指揮者がおらず またロックのようなドラムが不在のバンドで 曲の頭の部分をどのように揃えて 演奏し始めるか という問題はかなり深刻で 大昔から付きまとって来ました。こういう時 小さな劇場でじっくり聴く というのは 我が意を得たり って感じで 素晴らしいですね。演奏者それぞれの緊張に満ちた表情や第一ヴァイオリンのエリック先生の一挙手一投足に漏らさず注視する各々の演奏家たちの鋭い目線 スタートが決まった時の安堵の表情とそこから溢れだす えも言われる快感原則に則った滑らかな演奏。小さな劇場ならではの見どころが沢山詰まっていました

また 非常にリズミカルな印象を受けたのは 第二チェロや第一ヴァイオリン等々が タイミングよく弦を爪弾いて リズムを取る場面が 随所に見受けられたからですが これも弦楽器が5挺もあることによる贅沢な副産物と言えます。しかもチェロを挺配していることによる重低音の充実が 素晴らしかった。この辺りの音圧から来る体感的な快感は 部屋で CDを 再生しても決して感得できないものですから これもまた非常に贅沢なライヴであった と言えるでしょう。

それにしても 最近の女性たちのたおやかな美しさというのは これまたけしからんですな(苦笑) 凄い才能があってなおかつアイドルのように可愛らしいのだから これはもう反則ですよね。あれだけの緊張感満載のライヴの後 オフステージで きゃっきゃ! 騒いでいる彼女たちを見ると 本当に隔世の感があります。
今回演奏された「 弦楽五重奏曲 」は 静かな厳かな立ち上がり( 起 )から 気配を残しつつ滑らかに続く( 承 ) ほんの少しだけ緩急があり気配の変わる( 転 ) 少しだけ盛り上がりつつもやはり最初の気配に戻ってじっくり聞かせる( 結 ) へと至る いわば ( 序 )( 破 )( 急 )という展開の作品ではないことで 女性のたおやかな美しさが存分に発揮されるナイスな選曲 とも言えたと思います。もちろん 瞬発力十分の強調や瞬間的な抜き のような鋭利な聴きどころも沢山ありました。けれども 結果的にシューベルトの遺作となった作品だからこそ なおさらそう思えるのかもしれませんが 32歳にしてすでに老成している 枯山水の境地のようなものを感じさせるのです。そして エリック先生のような佇まいのマスターにこそ 第一ヴァイオリンで演奏を聴かせてしてほしい と思いました。
開演前にお一人で準備されているエリック先生には 近づき難い崇高な気配があり 怖い人なのかなぁ という印象でしたが 食事の後 帰られる時のエリック先生の何とも言えない優しい感じは やはり 音楽も人だなぁ と強く感じさせ 正にマスターを体現された方でした。

いずれにしても 筆者にとっては音楽は ジャンルではなくて 好きか嫌いか でしかなく 今回のコンサートもロックのライヴと同じテンションで 拝聴しました。個人的には ベルギーのチェンバーロックグループ UNIVERS ZERO ユニヴェル ゼロやフランスの ART ZOYD アールゾイ のことをご存じないか? といったお話ができたら楽しかったかなぁ… というところですね~




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