2015年12月25日金曜日

いわし亭の日々是好日 2015 年 12 月


12 月 9 日 ( 水 )

THE POP GROUP が大阪で初めて単独公演を行った。
2011年、サマーソニックで来阪していたものの、野外コンサートの劣悪な条件に耐えられるとはとても思えずパスしたのだ。今年、3月1日の東京リキッドルーム公演も結局、行けずじまいで残念な思いをしていた身としては、これを逃すわけにはいかない。
セカンドアルバムの 『 FOR How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? 』 のケチャのSEが鳴り響く中、メンバーが登場。THE POP GROUP の後継バンドとしては唯一、目撃できた PIG BAG を率いたサイモン・アンダーウッドの不在が残念ではあるが、’81年解散当時のオリジナルメンバーであるマーク・スチュワート ( Mark Stewart 作詞・ボーカル )、ギャレス・セイガー ( Gareth Sager ギター )、ダン・カトシス ( Dan Katsis ベース )、ブルース・スミス ( Bruce Smith ドラム・パーカッション ) の 4 人が揃って登場したこと自体奇跡ではある。
しかし、ブリストルの怒れる若者もすっかり腹の出たオヤジ化して、ある種の悲哀が漂う。大丈夫なのか?? と危惧するいわし亭をしり目に、いきなりブッ放された 「 Fores Of Oppression 」 ! マーク・スチュワートの裏返った雄叫びは、初めて針を落とした時のあの凄まじい衝撃を一気に手繰り寄せ、全身の毛穴は一気に開いた。そこからは愉悦と極楽の 80 分。


12 月 12 日 ( 土 )

KING CRIMSON 大阪に上陸。今年は年初に SWANS 、6月に MAGMA 、そして年末に先の THE POP GROUP と、洋楽者にとっては至福の一年であったが、ここに来てついに大トリの登場だ。いわし亭にとっても、音楽の在り方それ自体を考え直さざるを得ない革新的なアプローチとテーマ性で常に衝撃的であり続けた唯一のバンドが復活し、しかも 『 クリムゾンキングの宮殿 』 以下、クリムゾンのオリジナル ソングを時代に関係なく演奏するというのだから、もはや選択の余地はなかった。本来ならば、可能な限り即席の追っかけマニアと化して一緒にツアーを回りたい位だった。
クリムゾン ファンなら同意してくれると思うのだが、「 21世紀の精神異常者 」 をリアルタイムで演奏できることこそ KING CRIMSON たる必要十分条件なのだ。その意味で、’81年にリユニオンした KING CRIMSON をクリムゾンとは認めたくない意地がある。いわし亭はクリムソンと言えば 『 太陽と戦慄 』 派なのだが、『 アイランド 』 までのメンバーで結成された 21世紀の精神異常バンド がこの「 21世紀の精神異常者 」 をやすやすと再現し、クリムゾンの正当継承者と認めざるを得ないジレンマにずいぶん悩まされたものだ。一方、「 21世紀の精神異常者 」 を結局披露できなかったディシプリン クリムゾンは 「 太陽と戦慄 」 パート2はおろかパート3まで演奏していたのだから尚更だった。
だからこそ、今回、オリジネーターのロバート・フリップ師父を擁する KING CRIMSON が、「 21世紀の精神異常者 」 はおろか、「 クリムゾンキングの宮殿 」 「 エピタフ 」 「 レターズ 」 「 太陽と戦慄パート 1 ~ 2 」 「 レッド 」 「 スターレス 」 実質的な 「 太陽と戦慄 パート5 」 と言われる 「 Level Five 」 さらには 「 The ConstruKction of Light 」 といった ’90 年代クリムゾンのレパートリーも包括していたのだからもはや文句のつけようがない…


12 月 19 日 ( 土 )

キングクリムゾンを追いかけて高松。
ライヴレヴューは別項に譲るとして、ここではただひたすら高松グルメ ツアーについて述べる。
母親の実家が高松にある関係で、高松は幼稚園に上がる前から頻繁に訪れている土地であり、いわし亭にとって第二の故郷と言って良いポテンシャルを秘めている。ここ 2 - 3 年は、SANUKI ROCK COLOSSEUM の開催に合わせて春先に訪れているが、昨年は我が最愛の大森靖子がメジャー前夜のタイミングでこのフェスに参加し、とんでもない密度のライヴを見せてくれた。琴平電鉄 瓦町駅の界隈にはライヴハウスが集中的にあり、フェス向きの恰好のロケーションなのだが、このフェスを機に多くのアーティストがこの地をツアールートに組み込むようになって来ていて嬉しい。

“ うどん県。それだけじゃない香川県。” なのだが、やはりまずは讃岐うどんだろう。

東京の神田に進出して、東京人を震撼せしめている “ うどん 一福 ( いっぷく ) ” の本店は国分寺町新居の端岡駅から徒歩 10 分の位置にある。食べログで常時、星 4 つをキープしているのだからトンでもない店なのだが、こうした名店に限らず、製麵所と併設されている立ち食いのようなスペースでさえ侮れないのが、讃岐うどんの奥深さだ。
高松に着いて、まずは県庁通り近くの松下製麺所に行ってみた。具も何もないシンプルな素うどんだがこれがまた、何これ~! と思わず唸るほど出汁が旨い。完食後は、センター街を通ってホテルに向かう。高松のチェーン店 “ マルナカ ” でお惣菜を買い、さらに “ まちマルシェ木村 ” で特製の骨付き鳥も購入する。骨付き鳥はこれまた旨さ大爆発の香川名物なのだが、基本、酒のアテというニュアンスが濃厚で、ほとんどの店で夜の営業時間にしか食べられない。当然だが、喫煙全開の煙の中で食事をするのは耐えられないから、呑み屋は基本、行かない。ホテルでテレビを見ながらお惣菜を並べて楽しむ。
チェックイン前に、“ 雪ノ下 ” でお茶。全国の “ 雪ノ下 ” を制覇したわけではモチロンないのだが、結局、高松が一番いいのではないかと思う。そこそこの広さと新装開店当時の清潔感が未だに保たれていて、とても気に入っている。大阪梅田 ( マジ、やばいロケーション ) の本店や名古屋伏見支店は個人的にはあまり居心地がよくなくて、同じ店とは思えないくらいの落差があった。最近できた神戸三宮店も確認しないといけないが、未だに行けてない。

小麦の香りが素晴らしい “ 一福 ”の麺
翌日、朝イチで端岡 “ うどん 一福 ” に行く。10 時オープンなのだが 9 時 50 分くらいに着いてしまった。オープンまで、入り口横の椅子に腰かけて待つ。やはり土日祝は県外からのお客さんが多いのだろう。椅子などが常備されているし、お土産の張り紙が沢山してある。オープン時点ではそれほどでもなかったが、数分もしないうちに人がどんどん来て、あっという間に超満員になった。入口から揚げ物やおにぎりの並ぶスペースがあり、そこでおかずやトッピングを選んでから、うどんを頼む。近隣のお客さんも多いみたいで、何とうどんを 10 人前以上持ち帰りで頼んだ剛毅な人がいて、厨房はてんやわんやだった ( 笑 ) 麺から立ちのぼる小麦の香りが素晴らしく、ほとんど素うどんなのに 何なんだこれはッ! と言う感じ。
高松駅に戻り、駅構内の “ 連絡船うどん店 ” に行く。JR を利用しないと食べられないというユニークな店だが、この立ち食い風情のうどん屋が、うどんを食べさせるにしてはあまりにも大仰な店構えで、当然のように結構いい値段をとる件のうどん屋など全く問題にしてないのだからモノ凄い。そもそもコストパフォーマンスが違い過ぎるのだ。

鮮度抜群の “ いただきさん ” の漁師丼
続いて、市バスで “ いただきさんの海鮮食堂 ” に向かう。ここは魚卸と漁師が共同で作った食堂で、高松卸売市場から歩いて 3 分。いつ来ても新鮮な魚介を格安で食べられて、いつ来ても驚かされ、そして大満足で帰るわけだが、今回もチヌの刺身、漁師丼、大エビのフライなどなどなど、ハンパない洒落にならないレベル感。しかも鮮魚料理なので、おなかにたまらなくて、するするイケる。
丸亀町通りに戻ると、パンケーキの店 Gram が新規オープンしていたので、ここでしばしお茶をする。新しいだけあって凄くきれいで、その分、店員は初心者感満載であるが、これはまぁご愛嬌。クリスマスが近いせいか、かなり賑わっている。
そこからさらに “ 三友堂 ” で柿ジャム ( ! ) の和菓子 “ 木守 ( きまもり ) ” を購入し、石村由紀子さん監修の “ まちのシューレ 963 ” でお土産を選ぶ。この界隈の散策には時間はいくらあっても足りない感じがする。今回は行きつけの “ 綿谷 ” の肉うどんが食べられなくて、残念無念だったが、代わりの店にたくさん行けたから、それはそれでまぁ 満足ではある。

辛さの奥の旨味が癖になる “ 陳さん ” の担担麺
高松を離れる前にサンポート高松 マリタイムプラザ らーめんポート3階の “ 陳健一の担担麺 ” に行く。この系統では名古屋 “ 味仙 ” の台湾ラーメンが究極なのだが、陳さんちも頑張っていて、辛さの奥にある旨みにことごとくヤラれる。実は陳さんの担担麺を単品で食べられる店となると、ここは全国でも数えるほどしかない希少店になる。真冬に汗をかきかき、食べる担担麺はなかなかの風情で、最後に残ったスープに入れる白ご飯がまた絶品なのだ。ここも高松に来たら絶対行きたい店なのだが、うどんツアーの最後をラーメンで 〆るというのも、これはこれでありか と思う次第。







12月に見た映画 ( 満点 ★★★★ )

12/01 『 グリーンインフェルノ 』 ★★★
12/01 『 サクラメント 死の楽園 』 ★★1/2
12/02 『 リトルプリンス 星の王子さまと私 』  ( 日本語吹き替え版 ) ★★1/2
12/29 『 DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧 』 ★★1/2




この項、おわり





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