誤解を恐れず書いてしまうけど、靖子(せいこ)さんの歌を聴いていると、自傷行為を想起してしまう。
靖子さんの唄は、居合わせたリスナーの全てにとって、必ずしも心地良いものではないし、実際、いたたまれない気持ちになるくらい、剥き出しの、生身の靖子さんがそこにあるんだ。女性性に不器用なほどに忠実で、音楽と向き合う時に狂気に近い情念を感じさせてくれる。そんな彼女に、いわし亭は、深いシンパシーを感じて仕方ないのデス。
ダイヤモンドの輝きや煌めきを決定づける一番大切な要素は“カット”だっていわれてる。 カットこそが、ダイヤモンドが生まれ持った美しさを引き立てるんだと。
誤解を恐れず書いてしまうけど、靖子さんが歌うことは、自傷行為を思わせる。
でもそれは、ダイヤモンドが傷つけば傷つくほど、その内側に隠し持った輝きが見えてくるみたいな、靖子さんにとっては、決して避けては通れない、おっそろしく説得力のあるイキザマなんだな。これって音楽のジャンルでいえば、正にパンク。
ところが、実際にお話させてもらった靖子さんは本当に、育ちの良いお嬢さんっ て感じ。愛媛生まれだから、関西系イントネーションもとっても好ましくて、パンダやモーニング娘が大好きで、それでこれは重々強調しておきたいんだけど、美人度が数か月前と比べて格段に上がっていて(もちろん、もともと靖子さんって可愛らしい人だったのだが、このひと夏のハードなツアーで磨きあげられた観ありありで、とても綺麗になっているのデス)、今現在(2012/9)、靖子さんの女子力は、何度目かのピークをむかえつつあります。
吐息とともに歌詞が控えめに置いていかれる… そんな静謐な歌い方をするかと思えば、一方では暴風雨のような感情に任せた甲高い叫び声や早口でまくしたてる暴力的なラップが披露されたりして、リスナー ドン引きだったりして、ことほど左様に靖子さんの唄は自由自在で目いっぱいわがままなんだ。
歌の呼吸の入れ方と抜き方(特に抜き方が素晴らしいんだけど)、ロリ系の声色、独り言のような囁くように弱々しいMC(この点、ほんと 歌っていない時の靖子さんは別人なんだ)、そして歌詞として選ばれる言葉のひとつひとつ、その全てが強力にオリジナリティを獲得してる。
自分の唄の伴奏を自分でやるって、映画監督が主演するみたいに、スポーツの監督が試合に出るみたいに、弁護士が自分の弁護をするみたいに、理想的なはずなのに、そんな成功例を見たのは、実は靖子さんのそれが初めてのようにさえ思える。
靖子さんは、自分の体の一部のように、アコースティックギターを操る。 靖子さんのギターは決してテクニカルではないけれども、足したり引いたりする必要のぜんぜんない潤沢な伴奏で、自分の唄にそっと寄り添う。弾き語りっ て言葉がこれほど似合う瞬間に立ちあえることは、極めて稀なんじゃないかなぁ と強く確信したりします。
♪ もしもいつか子供がうまれてもギターの方が可愛いんだもの
2012/9/9 京都二条nano にて
※ これは今、東京で配布されている靖子さんのバンド “ピンクトカレフ” のフライヤー
子供以上に可愛いと唄うギターを “ま、いっか” って簡単に放棄して、ア カペラで歌い上げられた稀有なシーンがとらえられている。この潔さ、唄そのものの強さこそが、大森靖子 最大の武器でもある。
◎ 魔法が使えないなら死にたい~誰にも似ていない 誰にも真似できない 大森靖子の世界
全く辛口感がない~~!
返信削除大森さんのCDはショップなどで買えるんですかね?
どっちかっていうとYou Tubeなどで楽しむ感じなんでしょうか?
今年の4月にインディーズからデビュー ミニアルバム『PINK』をリリースしましたが、ファーストプレスは先月、完売したそうで、今、セカンドプレスに入っています。なんで、現在、品切れ中です。靖子さんの場合、いわし亭部長の辛口なんて全く通用しません。だって、靖子さんの方がよっぽど辛口なんですもん(苦笑) いわし亭部長は、彼女のむき出しの唄心を熱烈に応援しています。
削除Youtubeでチェックしてみま~す(^^♪
返信削除おすすめの ゆうつべ を貼りました。ぜひ、聴いてみてください。
削除あ、新しくYou Tube 画像足しましたね!
返信削除家で見てみますね!ありがとうございます。
へ~よっぽど辛口なんですね~